ああ、仁野の言う通りだった。
怖がらずにちゃんと伝えておけば
良かった。もっと前に。
喜野の気持ちを知ったあの日に
那野に相談しておくべきだった。

そしたら、もっと別の結末が
あったかもしれない。

仁野「だから、言っただろ。
ナノは厄介な奴なんだよ。」

妃乃「見てたの?」

仁野「ちょっと前からな。」

妃乃「そっか。」

仁野は那野が買ってくれた
レモンティーを飲み干すと
心底、嫌そうな顔をした。