新堂三兄弟のお姫様


割と近くにある自動販売機へ
行ったはずなのに那野は
なかなか戻っては来なかった。

お昼ご飯を食べ終えた私が
お弁当箱を片付けると
ようやく那野が戻ってくる。

妃乃「遅かったね。」

那野「うん、同級生と話してたから。」

妃乃「そっか。」

弁当袋の紐を固く結んだ私は
意を決して喜野との事を那野に話した。

妃乃「でも、私はナノの事が大事だから
ナノが1番好きだから、断った。
幼馴染として、仲良くしたいと
思ってるけど私が1番好きなのは
ナノだって事は信じて欲しい。」

自動販売機で買ったジュースを
1口飲んだ那野は少しだけ笑っていた。
楽しそうではない笑みを浮かべた。