割と近くにある自動販売機へ
行ったはずなのに那野は
なかなか戻っては来なかった。
お昼ご飯を食べ終えた私が
お弁当箱を片付けると
ようやく那野が戻ってくる。
妃乃「遅かったね。」
那野「うん、同級生と話してたから。」
妃乃「そっか。」
弁当袋の紐を固く結んだ私は
意を決して喜野との事を那野に話した。
妃乃「でも、私はナノの事が大事だから
ナノが1番好きだから、断った。
幼馴染として、仲良くしたいと
思ってるけど私が1番好きなのは
ナノだって事は信じて欲しい。」
自動販売機で買ったジュースを
1口飲んだ那野は少しだけ笑っていた。
楽しそうではない笑みを浮かべた。



