嫌だった。覚悟は決めたけど。
中途半端な優しさは最低な奴が
する事だって仁野に叱られたけど
ここで喜野を失うのは
あまりにも悲しかった。

言葉を伝えれば最後。
私と喜野の関係は終わる。
もう幼馴染の仲良しには戻れない。

悲しくて辛くて...私は泣いた。

そんな私の涙をすくうと
喜野はやっぱり優しい笑顔を向けた。

喜野「僕も、謝らなくちゃだね。
ヒノがナノにいの事、大好きだって
知ってたのに悩ませちゃって
本当にごめんね。」

妃乃「違うの、キノ。私は...」

喜野「最後まで聞いてよ。僕の話。」

私が首を縦に振ると
ありがとうと喜野は言った。

喜野「僕は、ヒノが好きだよ。
今までずっと気付かなかったけど
多分ずっと好きだったよ。
でも、僕の好きとナノにいの好きを
シーソーに乗っけたら、絶対に
ナノにいの方に傾くし
僕たちの事を真ん中で見てる
ヒノは僕の想いを知ったら絶対に
悩むだろうなって分かってから
僕は僕の気持ちを
伝えるつもりはなかったよ。」