妃乃「ニノは私を...」

また、私は言いかけてやめた。
ここで、仁野を庇ったら
那野が傷付くかもしれないと思った。

さっきの仁野の言葉は
嫌というほど、私の心の中に残った。
中途半端な優しさは残酷なんだ。

那野「部屋あがってく?」

妃乃「うん。」

那野の部屋に入ると
最近、那野がハマってる
バンドの曲が流れていた。

那野に会いに来たものの
私は一体、何を話すんだろう?

元々は、仁野の態度が変だって事を
話すつもりだった。
でも、那野はさっきまで私は
仁野と遊んでたって思ってる。
そんな中、私が仁野の話を
始めれば那野は嫌な思いを
するんじゃないだろうか。