風の吹き抜ける音で目を覚ます。
嘘?こんな所で
いつの間にか寝ちゃってたんだ。
昨日、色んな事を考えて
眠れなかったせいだろうか。

仁野「はぁ。」

ため息が聞こえ、隣を見ると
仁野が呆れた表情で私を見ていた。

仁野「駅で寝るってどんだけ
危機管理能力ねぇんだよ。」

妃乃「...ごめん。」

何で、仁野がここにいるんだろう。
てゆーか、怒ってたのに...。

仁野「ナノは自転車だから
今日は駅に来ない。」

妃乃「...そっか。知ってたんだ。」

仁野「お前がこんな事するなんて
相手はナノしかいないだろ。」

妃乃「ずっといてくれたんだ。」

仁野「放っておけるか、アホ。
さすがに俺もそこまで
冷たい人間じゃねぇわ。」

妃乃「知ってる。ニノは...」

言いかけてやめた。
さっき、怒られたばかりだから。
仁野は、私に褒められると
傷付くから、その先の言葉は
言わなかった。