新堂三兄弟のお姫様


でも、那野はごめんって言って
また私の事を抱き締めた。

那野「俺さ、自信がないんだ。」

初めて聞いた那野の弱音だった。

那野「いっつもぶっきらぼうな態度しか
取れなくて...キノの事をあんまりにも
ヒノが心配するから、ああやっぱり
ヒノもキノみたいに素直な奴の方が
いいのかなとかニノみたいに
口は悪いけど優しい奴の方が
いいのかなとかそんな事ばっかり
考えて、情けないな。」

ああ、私は那野の彼女なんだなって実感した。
お兄ちゃんじゃない恋人の那野が
目の前にいて嬉しくなった。

妃乃「私はナノと喧嘩出来て良かったよ。」

那野「え?」

妃乃「考えてみれば私
ナノと喧嘩した事ないもんね。
ニノとは沢山喧嘩したけど
キノには沢山拗ねられたけど
ナノとはそうゆうのなかったもんね。
いっつもナノは笑って許してくれてた。
だから怒ってくれて嬉しかったよ。」

我慢しない本音がちゃんと聞けて
言葉にしなくても、恋人だって
言って貰えてるような気がして嬉しかった。