どうゆう理由の涙かは分からない。

喜野にキスシーンを見られてしまった
気恥しさなのか、いつもは優しい
那野の違う一面を見たからなのか
はたまた、その口付けが今までとは
全くの別物だったからなのかは分からない。

だけど、私は泣いていた。

那野「辛いのか?」

那野の問いかけには首を振った。
それは違う。辛くはない。でも...

妃乃「ナノ。」

那野「うん?」

こんな那野は見たくない。

妃乃「私はナノが好き。
でも、キノの事を悪く言う
ナノの事は好きになれない。」

那野「...そっか。」

那野は抱き締めていた手を離すと
机に向かって目の前の問題を解き始めた。

妃乃「ごめん、ナノ。帰るね!」

それ以上は限界だった。
その時、私は確かに感じた。
私たちの間に出来た溝を。