那野はしばらく笑うと
そうかもなあと言った。
那野「なりたくてなった自分なら
いいんだよ。」
妃乃「なりたくてなった自分?」
那野「キノが本当に今の自分に
なりたくてなったのなら
俺はそのままでいいと思う。
でも、キノの場合はならされた自分だから。
周りの変化に巻き込まれて
そうなってしまったっていう言い方の方が
しっくりくる。だから、俺はあいつに
なりたい自分になって欲しい。」
ナノが私と同じ事を考えていて
少しだけ嬉しくなった。
那野「ニノだってそうだ。
昔のあいつはあんなじゃなかった。
引っ込み思案で、友達なんて
1人もいなかった。
キノ、ナノ、ヒノって1番言ってたのは
ニノだった。でも、キノが変わってから
当然のようにニノも変わって
今じゃあいつは人たらしだ。」
そう言われるとそうかもしれない。
幼稚園の頃の仁野はいつも私と
一緒にいたかもしれない。



