那野は、私の淹れたお茶を飲むと
うーんと言いながら
次の言葉を探していた。
那野「ニノはさ、俺が何言っても
すぐに突っかかってくるから
遠慮なしに言えるんだよ。
でも、キノはすぐに泣くし
なかなか自分の本音言わないし
扱いづらいってゆーかさ。
いつも強く言えないんだよな。」
妃乃「そっか。」
那野「だから、キノが強くなってくれたら
いいなって思うんだよ。
女嫌いを克服するとかは抜きにして
人として今よりも少し成長すれば
俺も楽になるのになーって。」
やっぱり那野はお兄ちゃんだ。
全然、自分の為なんかじゃない。
全部全部、喜野の為だ。
妃乃「それをキノの為って言うんだよ?」
那野「え?」
妃乃「キノの事を大切な兄弟だって
思ってるからナノは変わって欲しいと
思うんだよ。全然自分の為じゃないよ。」



