次の日から、水瀬さんに言われた通り
那野と仁野による喜野への
スパルタ特訓が始まった。
やっぱり喜野は
泣き出したり逃げ出したりする事も
あったけど、今までとは違い
最後の最後まで頑張っていた。
喜野のこんなにも頑張る姿を
見たのは小学生以来だ。
土曜日になると喜野は
元気に新堂家を出て行った。
喜野を見送った那野はため息をつく。
妃乃「お疲れ様。
ナノも疲れたでしょ?」
那野「これでキノが変わってくれるなら
それはそれで助かるけどな。」
妃乃「本当にキノが大事なんだね。」
那野「そうじゃない。
キノがヒノから離れる日を
ずっと俺は待ってたんだ。
キノの為じゃない。俺の為。」
妃乃「ナノの為?」



