新堂三兄弟のお姫様


放課後になり、荷物を片した私が
教室を出ようとすると
喜野が窓の外を眺めていた。

妃乃「キノ?帰らないの?」

喜野「うん。もう少ししてから帰る。」

放っておけばいいんだけど
こんな風にあからさまに
物思いにふけられると無視出来ない。

妃乃「後悔してるの?
水瀬さんの提案に乗った事。」

喜野「違うよ。僕が水瀬ちゃんの話に
頷いたのって、水瀬ちゃんに
説得されたからじゃないんだよ。
だから、後悔はしてない。」

妃乃「え?そうだったの?」

今日の喜野は何だか少し違って見える。
何が違うのか説明しろって
言われるとうまく言えないけど
いつもの喜野とは違う気がした。