新堂三兄弟のお姫様


香夜「甘いからじゃないですか?」

妃乃「甘い?」

香夜「ナノ先輩は優しいです。
ニノくんは、キノくんに対して
遠慮してます。だから甘いんですよ。
荒療治でもしない限り
キノくんの女嫌いは治りませんよ?」

今日出会ったばかりなのに
水瀬さんは本当にこの三兄弟の事を
よく知っている。私が長年かけて
知った事をもう既に知っていた。

喜野「ねぇ、僕はやらないよ。
僕はずっとこのままでいいよ。」

香夜「本当にいいんですか?
例えば、ナノ先輩と香坂さんが
このまま付き合い続けて結婚して
キノくんのそばからいなくなった時。
ニノくんが大切な人を見つけて
キノくんの元を離れた時。
キノくんはずっと1人でいるんですか?」

喜野「...そんなの...考えられないよ。」

香夜「考えて下さい!想像して下さい!
これは必ず訪れる未来ですよ?
ずっと4人で一緒にいられる訳じゃ
ないんですよ?いつまでも香坂さんや
ニノくんやナノ先輩が助けてくれる訳じゃ
ないんです!キノくんは自立しなきゃ
ダメなんですよ!」