妃乃「仁野が言ってた。
テストでいつも間違える問題があって
分からないからもういいやって
投げ出すか、分からないから
理解したいって思うのかで
結果は全然違う。人の気持ちも
同じだって。私は解けない問題を
諦めたくないの。だから考えたい。」
那野「何を?」
妃乃「ナノの気持ちを理解する
努力をしたい。自分の気持ちを
整理したい。少し時間が欲しい。」
那野「別れるって事?」
妃乃「分からない。
...正直言うと、どうしていいのか
どうしたいのか分からないの。」
那野は少しだけ寂しそうな顔をした。
見たくなかった。そんな顔。
私は那野の笑顔が好きなのに。



