さっき揺れていた植木の奥から
出てきた那野はズレたメガネを
ほんの少しあげながら
こちらに向かって歩いてきた。
那野「随分な言い草だな。
兄貴に向かって。」
那野の声を聞いたのは随分と久しぶりだ。
もちろん、その姿を見るのも。
仁野「ヒノが単純な人間で
ナノがわかりやすい人間で良かったわ。
おかげで呼び出す手間が省けた。
ヒノとナノに話がある。」
那野「何だ?」
仁野「キノにはもう話したけど
俺、編入するから。」
妃乃「編入ってどうゆう事?」
仁野「お前がナノに振られたら
行こうと思ってた学校に編入する。」
妃乃「どうして?」



