近付いてきた仁野は
小さな声で耳、塞いどけ。と言った。
仁野の言動はよく分からないけど
とりあえず言われた通りに耳を塞いだ。
でも、間近で大きな声を張り上げるから
嫌でも聞こえてきてしまう。
仁野「ウジウジ、ウジウジいつまでも。
拗ねてんじゃねぇぞ!バカ兄貴!
初めからヒノは言ってたじゃねぇか。
好きなのはナノだけだって。
その気持ちは何1つブレてねぇのに
劣等感をヒノに押し付けるな。」
後ろの方の植木がほんの少しだけ揺れる。
仁野「自信がないのなら初めから
好きになんてなるなよ。
自分が1番傷付けてるって本当は
ちゃんと分かってんだろ?
悪いと思ったら謝れ。
小学生のガキにだって出来る事だ。
盗み聞きなんて悪趣味だぞ。
そろそろ出てこいよ。」



