仁野はそっとタオルを置いた。
仁野「大丈夫、それ。
使ってないやつだから。」
仁野の優しさに甘え、涙を拭いた。
だけど、拭いても拭いても流れ出る。
妃乃「...私、ずっと好きだった...
那野の事、本当に好きだった。」
仁野「伝えれば?」
妃乃「何をどうやって伝えればいいのか
分からない。私の1番大切な人は
那野じゃない。
でも、1番好きな人は那野なの。
だけど那野が嫌だって言うのなら
私は那野だけを大切にしなきゃならない。
仁野の事も喜野の事も大切に
出来なくなるのは嫌なんだ。
それだけはどうしても嫌なんだ。」



