PM23:40。
仲西凪沙はスマホの画面をじっと見つめていた。
この時間になると同じクラスの朝井亮介からのLINEがかえってくるのをじっと待つのが凪沙の日課となっていた。
テスト期間なのに勉強なんてはかどる訳もなく、過ぎていくのは時間だけ。
ノートの隅に何となく『朝井亮介』と書いてみる。
消しゴムを手に取りその文字を消す。
横目でスマホをもう一度見る。
すると画面が明るくなって通知音がなった。

朝井君からだ!

しかし、すぐには返信しない。

20分だけ。

凪沙は前に既読はすぐつけない方がいいとどこかで聞いてから、必ず時間がたってから返信するように心がけていた。