「よくある話なんだけどさ、入学式のとき、遥斗、先輩のこと殴ったんだよ。」

いや、滅多にないわそんな話。

「殴った理由は確か、かつあげされてる人を助けるためだったかな。」

「え、この学校かつあげとかあんの?」

「大して偏差値高くないしね、この学校。」

盛岡くんの言う通り、この学校はどんなに頑張っても中の中。

賢い人もいれば、ちゃらんぽらんな人もいる。

まさにピンきりの学校なのだ。

「で、正義感の塊な遥斗はその人を助けたんだけど、逆上した先輩が殴りかなってきてね。

それをぼこぼこに透が仕返して、遥斗の不良説のできあがり~。

昔っから喧嘩が強いんだよ、遥斗は。」

盛岡くんはニコニコしながら話すけど、現実にそんな事があるとは…

「え、じゃあタバコを校内で吸って停学とかは?」

「あれね、遥斗がひどい風邪で1週間休んだときに、先輩の一人が何故か停学だって言いふらしたみたい。

なんなんだろうね、あの先輩。」

確かに先輩の行動は謎すぎる。

安藤くんを不良にすることになんの意味が…?