「バイト探してるんだっけ?」

「うわっ!」

「え、なに?」

いつの間にか前の席に座っていた安藤くんに驚く。

「いや、ちょっとビックリしただけ…」

「なんで?」

「なんでも。」

ダメだ、綺麗な安藤くんの顔を見てたらムカついてきた。

だって、男子のくせに肌綺麗だし、目がパッチリだし、睫毛長いし…

神様って不公平だわーつくづくそう思った。

「意味わかんね。

で、バイト探してるんだっけ?」

「あ、うん、そうそう。」

「俺、良いバイト知ってる。」

「どんなの?」

安藤くんは私の質問に答えず、にっと笑った。

「内緒。」

「はぁ?」

「今から時間ある?紹介してやるよ。」

「え、でも優実が…」

「大丈夫、透に任せとくから!」

「いや、ちょっと待って!」

言うや否や、安藤くんは私の鞄を掴み教室を出ていく。

これ、軽く引ったくりじゃない?

そんなことを思いながら、私は安藤くんの後を追った。