暫くして食べ終わり、朝陽がベーグルサンド以外のカロリーの低いパンを聞いてきたので答えるとそれを二つ持ち帰り用に買っていた。

「朝陽ってカロリー気にして食べてたの?」

そのわりにはカツサンドを綺麗に平らげたあげく、ミックスサンドも貰って食べていたけど。と思っていると、朝陽は苦笑した。

「俺が気にするわけないじゃん。
これは姉の分、いつもここのパン買ってきてくれるからお返しに」

「あ、いつも三つ買ってたのは朝陽の分も入ってたんだ」

「そう、そして食べて美味しかったから真未にも渡してたわけ」

真未が焼いたパンだとは知らなかったけど。と困ったように笑う朝陽に真未は、そういえば。と口を開いた。

「いつもパン買ってくれてたけど、なんで毎回くれてたの?」

「だって、最初にパンあげたとき嬉しそうな顔してたから、パン好きなんだな、可愛いなって思ってさ」

「か、かわっ……!?」

「うん、可愛い。
で、いろんなパンあげてたらそれと同じパン見るたびに俺のこと思い出すかなーって下心もあった」

なんの悪びれもなく言ってのける朝陽に開いた口が塞がらなかった。
真っ赤になって固まってると、すっごくラブラブじゃないですか。ごちそうさまですー。と千夏の冷やかす声が聞こえてきて、ここがまだ店内だったことを思い出した。

「そ、俺達ラブラブだから見守っててね」

「はい、しっかり見守らせていただきます」

二人笑いながら話しているのを真未は赤くなった頬を両手で扇ぎながら見ていた。
そして、朝陽がこの店に来たがっていた目的が真未への溺愛っぷりを見せつけるためなのだと察してしまった。