無自覚片思いの相手は策士な肉食系でした

「今日一緒にいた女の人は彼女?」

「んなわけないじゃん」

「じゃあ、元カノ?」

「ないない、そんなことない」

否定する朝陽の目をじっと見つめるけど朝陽は、ん?と笑顔で首を傾げるだけでその目が揺らぐことはなかった。

「逆にさ、何でそんなこと思うのさ」

「え?だって、仲良さそうに話してたりメニュー見たりしてたし……」

「それだけ?それなら友達同士でもしない?」

そう言われて真未はうっ……。と言葉につまるが、朝陽の追求が止まることはなかった。

「俺もさ、気になることは全部聞かないと気持ち悪いから答えてもらうよ?」

にこっと微笑むその顔は爽やかなはずなのにどす黒く見えるのは、やはり気のせいではないとこの時初めて確信した。

「何であの人のこと彼女とか元カノとか思ったのさ。
大体、昨日あの人違う男の人と一緒に店に来てたんでしょ?」

「そ、そうだけど……」

「浮気や二股しそうな人に見えた?」

「そんなことない!……けど……」

言葉尻が小さくなってしまうが朝陽が、ほら答えて答えて。と急かすので真未は若干に自棄になりながらも口を開いた。