暫く朝陽の好きなように抱き締められていると、次に朝陽は真未の顔を覗きこんで触れるだけのキスを何度も繰り返した。

「あー……これからずっと真未がいるんだなぁ……」

「そうね……」

「あのさ、陽菜姉と勇人兄さんは結婚したときに二人だけのルールを作ったらしいんだよ」

「ルール?」

「早く帰ってきた方がご飯を作る。とか、一緒に寝る。とか。
良いと思わない?」

「良いと思うけど……早く帰ってきた方って、朝陽ほとんど家にいるんじゃないの?」

Webデザイナーなんでしょ?と首を傾げると朝陽は頬にキスをして、そんなことないよ。と言った。

「意外と外に出ることも多いんだよね。
クライアントとのミーティングとか結構あるから」

「……家にずっといるんだと思ってた」

「ずっと家にいて、仕事から帰ってきた真未の疲れを癒すのもいいんだけどね」

そうなったら今やっているように抱き締められて、顔中にキスされてしまうのだろうかと苦笑した。
そっと羽で擽るような優しい触れるだけのキスはもどかしいような恥ずかしいような、なんとも言えない感じがしてそんな生活は耐えられないなと実感した。