「それからは………
ずっと一人だった。
たまに、荷物を取りに帰った両親に
『淋しい。』と訴えても………
『咲々は……生きれないかもしれないのよ!
元気なだけで幸せなの!ワガママ言わないで!』と怒られ
これはワガママなんだって思うようになって………言わなくなったの。
そんな時、隣の家の颯兄が遊んでくれて…………
寂しかった私の、唯一の拠り所だった。
恋をしたのは自然なことで……初恋かな?
もしかしたら、雛鳥が親鳥を追いかけるようなものだったかもしれないけどね。」
そう言うと、懐かしそうに目を細めた。
「小学六年生のバレンタインに、初めてチョコを渡したの。
『颯兄が大好きです。付き合って下さい。』って。
人と接して来なかった私は……本当に、幼くて純粋だったから
マンガや小説の世界が当たり前だと思っていたの。
結果は……惨敗。
圭兄に『咲々が大変な時に、よくそんなことが言えるな!
お前は、血も通ってないのか!!
双子に生まれなかったら、咲々はこんな辛い人生を送らずにすんだのに。
お前が生まれなければ良かったんだ!
なのに、何が『付き合って下さい。』だ。
お前と付き合うなら、咲々と付き合う。』って………。
後で分かったことだけど………
私が告白したバレンタインの日は
咲々がドナーと適合せずに、落ち込んでた時だったみたい。
片方は、死の恐怖と戦っているのに
片方は呑気に『付き合って』って言ってるんだもん。
怒るよね。
それからは……両親も冷たくて
私はお小遣いでぬいぐるみばかり買ってたの。
たぶん、それもイラつかせたんだと思う。
咲々は……買い物すら行けないのに、私は贅沢だって。」
ずっと一人だった。
たまに、荷物を取りに帰った両親に
『淋しい。』と訴えても………
『咲々は……生きれないかもしれないのよ!
元気なだけで幸せなの!ワガママ言わないで!』と怒られ
これはワガママなんだって思うようになって………言わなくなったの。
そんな時、隣の家の颯兄が遊んでくれて…………
寂しかった私の、唯一の拠り所だった。
恋をしたのは自然なことで……初恋かな?
もしかしたら、雛鳥が親鳥を追いかけるようなものだったかもしれないけどね。」
そう言うと、懐かしそうに目を細めた。
「小学六年生のバレンタインに、初めてチョコを渡したの。
『颯兄が大好きです。付き合って下さい。』って。
人と接して来なかった私は……本当に、幼くて純粋だったから
マンガや小説の世界が当たり前だと思っていたの。
結果は……惨敗。
圭兄に『咲々が大変な時に、よくそんなことが言えるな!
お前は、血も通ってないのか!!
双子に生まれなかったら、咲々はこんな辛い人生を送らずにすんだのに。
お前が生まれなければ良かったんだ!
なのに、何が『付き合って下さい。』だ。
お前と付き合うなら、咲々と付き合う。』って………。
後で分かったことだけど………
私が告白したバレンタインの日は
咲々がドナーと適合せずに、落ち込んでた時だったみたい。
片方は、死の恐怖と戦っているのに
片方は呑気に『付き合って』って言ってるんだもん。
怒るよね。
それからは……両親も冷たくて
私はお小遣いでぬいぐるみばかり買ってたの。
たぶん、それもイラつかせたんだと思う。
咲々は……買い物すら行けないのに、私は贅沢だって。」



