そこまで話して、フッと俺と目を合わせ

「ここから先は…………ちょっと辛いから…………
手を握ってても良い?」と聞いてきた。

「だったら。」

そう言って抱き締めると

「圭兄は………温かいね。」と呟いて

ギュッと抱きついた。

彼女の寂しさ、辛さは………

今でも十分伝わったが。

『颯兄、ごめんなさい。』とパニックを起こした咲を考えると

話そうと思ってくれる今、キチンと聞いておきたい。

辛さは………俺が受け止めるから。