「向日葵は抱きつく相手が違うだろ?てか、ヒナは俺のだし。」

「ふーんだ!雅とは言われなくてもラブラブですぅー!」

向日葵ちゃんは雅くんの彼女さん。学校でも結構な有名カップル。

ちなみに、楓くんはさらっと恥ずかしいこと連発するから、横で聞いてる私が恥ずかしい。

楓くんと向日葵ちゃんは本当は仲良しなんだけど、何かと言い合いが多いんだよね。
それを止めるのが雅くんと私の役目。

楓くんと向日葵ちゃんが言い合いをしていると、雅くんが割って入って話し始めた。

「ほら、そろそろ学校行かないと遅刻するよ?」

雅くんは向日葵ちゃんの手からスポーツバッグを取ると自分の肩にかけて歩き出す。

「え?雅?いいよー、自分で持つよ?」

「いいの。彼女にこんな重い荷物持たせるなんて、彼氏失格じゃない?ねぇ?楓。」

と笑いながら言った。

「そーだな。まあ、俺も持ってるけどー。」

楓くんも雅くんも誰もが認めるサッカーのテクニックと、成績の良さ。みんなからモテモテだ。

私と向日葵ちゃんはそんな二人の幼馴染で鼻が高い。