警察になんとか説明をつけて、1時ごろようやく自宅に戻ってこれた。


「今日は玄関から入ってもいいのか?」


「特別だからね。」


「ところでゆその、ずっと震えているが、どうしたんだ?俺はどうしたらいい?」


「そういう時は、何も聞かずに抱きしめるの……。」


「分かった。」





彼に抱きしめられると不思議と震えが止まった。
それと同時に、あの日から仕舞い込んでいた涙が溢れてきた。





「こわかった。死ぬのも、夢をみるのも。」

「そうか、今まで辛かったな。」

「助けてくれて、ありがとう。」

「ゆそのを失いたくなかったからな。」

「え?」

「そこはスルーしろ。」

「え?」

「黙って泣いてろ。」

「へへっ」

「笑うな。」