私はこれからが勝負なのだからまだ気は抜けない。
大きく深呼吸をついて気持ちを切り替え、和樹にメッセージを送った。
緋奈乃【こんにちは。今日の夜話せないかな?】
kazu【いいよ。】
緋奈乃【ありがとう】
kazu【9時ぐらいでどうかな?】
緋奈乃【いいよー】
話す約束をしてしまった。それまでにちゃんと頭の中整理しておこう。
自分ばかりが緊張して頭がうまく働いてくれない。でもここで舞奈ちゃんに頼るわけにはいかない。自分でなんとかするって決めてるんだから…。
結局考えがまとまらないうちに話す時間がすぐそこまでやってきてしまったのだ。
あと。10分だ。どうしよう。なんてきこう。なっていったらいいのかな。紅高通ってるって嘘ついてるし。どこに通ってることにしようかな。どうしよう。本当にどうしよう。逃げたいけどまた和樹と話したい。全然まとまらないよ。。。
kazu【俺は話せるけど緋奈乃ははなせそう?】
ついに時間がやってきたのだ。それも時間過ぎても私から連絡しなかったから。申し訳ない。ごめんね。と思いつつ返事を返した。
緋奈乃【わぁ。時間過ぎてたごめん。話せるよ。】
本当はなにも大丈夫じゃないしちゃんと話せるのかわからないけど、話したいのは本当だから話すんだ。気合を入れようとほっぺをパチンッとしようと思ったのも束の間。電話のコールが鳴る。
「もしもし。」
『お疲れ様。今日はバイト休みなの?』
「お疲れ様。休みだよ。」
やはりどこかで聞いたことのある声だ。でもわからない。どうしてもわからない。どこでこの声と出会っているんだろう。
『おーい、きいてるかー。ひなの?』
「ん?あぁごめん。ちょっとぼーっとしちゃった」
『大丈夫か?』
「大丈夫だよ。ほんとごめんね。さっきなんて言ってたの?」
『いやさ、この前連絡した時もいったけどやっぱり、ひなのの声学校できいた気がするんだよ。休み時間。多分教材持ってたから移動教室だったと思うんだけど。』
「えー。気のせいだって。私紅高通ってないし。」
『本当に?それならどこの高校通ってんの?』
「えっとね、光陽高校だよ。」
頑張った。頑張って嘘つけたよね。よしこの嘘で貫こう。
『え、違うんだ。そうなんだ。残念だな。同じ高校だったらたくさん話せたかもしれないのに。』
え。。。
今なんて言った?
同じ高校だったら声かけてくれたの?
嘘つかなきゃよかった。
失敗した…。
私のバカ。
でも顔もわからない人と学校で会うのは怖いよ。
話は気があっても、自分が描いてる人物像と違ったら嫌だし。
そうじゃなくても怖い。
それに私にはクガくんがいるんだ。毎日なんとなくクガくんの顔拝めたらそれで私は幸せだし、元気充電できる。
そうだ。これでいいんだ。
「紅高っていろんな学科あるけど何科に通ってるの?」
『俺は農林科だよ。授業実習が多くてさ、移動面倒だし大変だけど実習内容的にはすごく楽しいんだ。自然と触れ合う機会がすごく多くて。たまに森林浴しに授業中出かけることもあるよ。つもの実習が森林浴かもだけど。』
「そうなんだ。いいね。授業中森林浴って本当に楽しそうだね!」
待って待って待って、同じ高校に通ってて隣の隣のクラスってどういうことだ。それじゃ農林科の前の廊下ほぼ毎日通ってるじゃないか。これ大丈夫なのか。高校まで嘘ついたばかりだけどもう既に嘘突き通せる自信なくなってきたぞ。
『光陽は普通科だけだよね。ずっと座って授業って退屈だし疲れないの?』
「それはもう疲れますよ。授業眠くなっちゃうし。」
『本当にそうだよね。何言ってるのかわからない。英語と数学は呪文だよね。』
「数学私も苦手。全くわかんないからテスト前に教科書の範囲全部見返してノートに丸写ししてるよ。」
『それでなんとかなるのか。羨ましいわ。俺もそんな風にできればよかったのにな。』
「頑張って。」
『俺も勉強頑張って光陽行けばよかった』
「ん?なにか言った?声小さくて聞き取れなかった。ごめんもう一回いって」
『何も言ってないよ。悪い。今日はもう寝るね。おやすみ』
「うん、おやすみ。」
そう言って彼は電話を切ってしまった。
私が素直に同じ高校通ってるって言ったらもう少し変わってたのかもしれない。それに色々学校でも話せたかもしれないのに。
本当にごめんね。
これで本当によかったのだろうか。
翌日…。
私は昨日の電話の件もあったので少し早めに学校に来ていた。
今日も実習あるから座学眠くならないように今のうちに充電しておこう。
今日もクガくんに会えますように。
そして和樹にばれませんように。
そう思いつつ私は眠りについた。
大きく深呼吸をついて気持ちを切り替え、和樹にメッセージを送った。
緋奈乃【こんにちは。今日の夜話せないかな?】
kazu【いいよ。】
緋奈乃【ありがとう】
kazu【9時ぐらいでどうかな?】
緋奈乃【いいよー】
話す約束をしてしまった。それまでにちゃんと頭の中整理しておこう。
自分ばかりが緊張して頭がうまく働いてくれない。でもここで舞奈ちゃんに頼るわけにはいかない。自分でなんとかするって決めてるんだから…。
結局考えがまとまらないうちに話す時間がすぐそこまでやってきてしまったのだ。
あと。10分だ。どうしよう。なんてきこう。なっていったらいいのかな。紅高通ってるって嘘ついてるし。どこに通ってることにしようかな。どうしよう。本当にどうしよう。逃げたいけどまた和樹と話したい。全然まとまらないよ。。。
kazu【俺は話せるけど緋奈乃ははなせそう?】
ついに時間がやってきたのだ。それも時間過ぎても私から連絡しなかったから。申し訳ない。ごめんね。と思いつつ返事を返した。
緋奈乃【わぁ。時間過ぎてたごめん。話せるよ。】
本当はなにも大丈夫じゃないしちゃんと話せるのかわからないけど、話したいのは本当だから話すんだ。気合を入れようとほっぺをパチンッとしようと思ったのも束の間。電話のコールが鳴る。
「もしもし。」
『お疲れ様。今日はバイト休みなの?』
「お疲れ様。休みだよ。」
やはりどこかで聞いたことのある声だ。でもわからない。どうしてもわからない。どこでこの声と出会っているんだろう。
『おーい、きいてるかー。ひなの?』
「ん?あぁごめん。ちょっとぼーっとしちゃった」
『大丈夫か?』
「大丈夫だよ。ほんとごめんね。さっきなんて言ってたの?」
『いやさ、この前連絡した時もいったけどやっぱり、ひなのの声学校できいた気がするんだよ。休み時間。多分教材持ってたから移動教室だったと思うんだけど。』
「えー。気のせいだって。私紅高通ってないし。」
『本当に?それならどこの高校通ってんの?』
「えっとね、光陽高校だよ。」
頑張った。頑張って嘘つけたよね。よしこの嘘で貫こう。
『え、違うんだ。そうなんだ。残念だな。同じ高校だったらたくさん話せたかもしれないのに。』
え。。。
今なんて言った?
同じ高校だったら声かけてくれたの?
嘘つかなきゃよかった。
失敗した…。
私のバカ。
でも顔もわからない人と学校で会うのは怖いよ。
話は気があっても、自分が描いてる人物像と違ったら嫌だし。
そうじゃなくても怖い。
それに私にはクガくんがいるんだ。毎日なんとなくクガくんの顔拝めたらそれで私は幸せだし、元気充電できる。
そうだ。これでいいんだ。
「紅高っていろんな学科あるけど何科に通ってるの?」
『俺は農林科だよ。授業実習が多くてさ、移動面倒だし大変だけど実習内容的にはすごく楽しいんだ。自然と触れ合う機会がすごく多くて。たまに森林浴しに授業中出かけることもあるよ。つもの実習が森林浴かもだけど。』
「そうなんだ。いいね。授業中森林浴って本当に楽しそうだね!」
待って待って待って、同じ高校に通ってて隣の隣のクラスってどういうことだ。それじゃ農林科の前の廊下ほぼ毎日通ってるじゃないか。これ大丈夫なのか。高校まで嘘ついたばかりだけどもう既に嘘突き通せる自信なくなってきたぞ。
『光陽は普通科だけだよね。ずっと座って授業って退屈だし疲れないの?』
「それはもう疲れますよ。授業眠くなっちゃうし。」
『本当にそうだよね。何言ってるのかわからない。英語と数学は呪文だよね。』
「数学私も苦手。全くわかんないからテスト前に教科書の範囲全部見返してノートに丸写ししてるよ。」
『それでなんとかなるのか。羨ましいわ。俺もそんな風にできればよかったのにな。』
「頑張って。」
『俺も勉強頑張って光陽行けばよかった』
「ん?なにか言った?声小さくて聞き取れなかった。ごめんもう一回いって」
『何も言ってないよ。悪い。今日はもう寝るね。おやすみ』
「うん、おやすみ。」
そう言って彼は電話を切ってしまった。
私が素直に同じ高校通ってるって言ったらもう少し変わってたのかもしれない。それに色々学校でも話せたかもしれないのに。
本当にごめんね。
これで本当によかったのだろうか。
翌日…。
私は昨日の電話の件もあったので少し早めに学校に来ていた。
今日も実習あるから座学眠くならないように今のうちに充電しておこう。
今日もクガくんに会えますように。
そして和樹にばれませんように。
そう思いつつ私は眠りについた。
