「え?沙羅が・・・治したの?」


悠里が聞いてきた。



「神殿に戻って浄化を行ったのよ?悠里だけじゃないんだから。
狂ったように謝った人も居たし、泣き叫ぶ人も居たわね・・・」



幸也や紅燐、秋冷は知っているハズだ。―沙羅が泣き叫ぶ人を見るのが嫌いな事を。



「なっ・・・」



言葉に詰まる紅燐。



「それと。当主様?否・・・”幸也おじさま”
・・・貴方も少々御ふざけが過ぎたようですね?」


沙羅のターゲットが幸也に変わる。




「何を言っているんだ?」



幸也は本当に分からなかった―忘れていたのだ。18年も前のことを。



「あらあら・・・まぁ、ボケたのでしょうね。歳が近いですしね?
土御門本家直系の御当主様?」



沙羅の最後の言葉を合図にして・・・直人たちが入ってくる。



「な・・・直人!!未来!!お前ら、まだ任務じゃ・・・それに
彼方と由美まで!!」


幸也が立ちり、直人と未来を睨む。



「やぁ♪久しぶりだね、兄貴。電話で話すよりコッチの方が楽だから着ちゃったよ。
丁度、彼方と由美も居たからね・・・」


直人は、初めは明るく言っていたが・・・声が段々と低くなってきていた。



「兄さんも無様過ぎるわ・・・何の為に沙羅を預けたんだか・・・でも
その兄さんが捨てたのよねぇ?沙羅を・・・」


未来もだ・・・声が低くなっている。



「まぁ。幸也だから・・・カナ?俺の息子を引き取って何をしてるかと思えば・・・」


今度は、彼方だ。


「無様な事をしてるし・・・なんて言ったけ?あ、白蛇の嫁入りとかも・・・」


最後には、由美が言った。