服が濡れるが、気にしない。


それよりも、白蛇の腹に居た事が気に喰わなかった。



「さ~て・・・お返しは・・・どんなのが良いかしら?」



沙羅は白蛇を見て言う。



≪黙れよ・・・月の巫女よ≫



白蛇の声は全員に聞えている。



『月の巫女』は世界で嫌われている忌み子だ。


それが、此処にいるのだから・・・驚いている人々と麗夜たち。


秋冷は驚いていないが、悠里は驚いている。



「黙るわけにはいかないんだ~」



ニッコリ笑う沙羅だが目が笑っていない。



≪ほぅ・・・我を殺すと言いたいのか?≫



「お察しの通りですよ」



沙羅は、風を呼ぶ。



風が沙羅の体に纏いつくように・・・吹き荒れる。



≪流石だな・・・この霊力の高さ・・・能力の高さは≫



―何故、敵なのに・・・褒める?



「ありがとう存じます。でも此処で貴方は滅びるんですよ」



複数の風の刃が・・・神速を超えて研ぎ澄まされた風の刃が白蛇の身を切り刻む。




だが、白蛇はくたばらなかった・・・しかも、巨大化そして首が何本か増えていく。