「何よ」


風を纏わせている沙羅。


「止めないと、奴が来るぞ?」


その言葉にピクッと反応し風が止み、雷が止む。



「・・・私は・・・奴等なんて信用してないし・・・恐ろしくない」


そんな事を言っている沙羅だが、風と雷が止んだのは何故だろう?



「・・・ホントは怖いくせに」


呆れた顔をする麗夜を睨み付ける沙羅。



「黙れ」


さっきより、もっと低い声。


「分かった。何より夜が明けそうだ・・・帰るぞ」


麗夜が黒いコートを翻して歩き出す。


沙羅も黒髪を後ろになびかせながら麗夜の隣を歩く。