†戦慄の交響曲†

沙羅は唄を歌った。


低くも無い声。


皆は、無意識にか自分の体を抱いていた。



「本当なら、この時点で終わりでした。

続きがあります。

嫁入りに出された娘の

死体が出てこないんですよ。

何百年経った今も。

そして、唄にも続きがありました。」


一旦ここで、話を切った沙羅。


そして樹里が



「沙羅・・・やけに詳しいね」


「ホント・・・でも、この話・・・なんか怖い・・・」


同意する芽衣。


そして、沙羅が再び口を開いた。

「『嫁入りした娘。

脱走を試みた者1人。

逃げた。何里も走った。

森の出口が見えなかった。

闇が明けなかった。

娘は木に登った。

木の頂上が見えなかった。

登っても、登っても上へ続くばかり。

白蛇が追いかけて来た。

娘は涙を零した。

辺りが光る。

光から娘はコトバを授かった。

コトバに白蛇は消えつつ

白蛇はその娘を食らった。

それから人間の味を覚えた。

恐怖と絶望。その感情が白蛇は美味と感じた。

100年に一度

白蛇の嫁は・・・喰われていった。』

と言う、最終的に喰われてしまう唄です

今年もその、白蛇の嫁入りを行うらしいですよ」