結果、偶然か必然か私の席は天津くんの隣になり、少し気まずそうに彼は"よろしく"と言った。



「あの、どうして私の名前を?」

「…姫川莉織って聞いて、……いや、やっぱいい」

「え?ちょっと、教えてよ」



せがむように身を乗り出すと、彼は腕を組んでそっぽ向いてしまう。


___何なんだろう。



「教えても信じねーよ絶対。」



ボソッと呟いた言葉に、どこか寂しさや悲しさのような情を感じる。

顔は見えないけれど、それ以上問い詰めることは許されないように思えて。




「じゃあ名前!名前くらい教えてくれてもいいでしょ?」

「天津。御門天津─Mikado Amatsu─」

「え?!天津って名前だったの?!苗字かと思った」

「それ今まで会ったやつほとんどに言われたわ」

「あははっ、だよねー(笑)」