「莉織次移動だよ!場所わかる?」 「わかんない」 「一緒に行こー!」 「莉織!食堂行くけど一緒に行く?」 「行きたい!」 「いこいこ!」 侑架は休み時間になるたびに私のところへ来て、移動教室や食堂の場所を丁寧に教えてくれた。 わざわざグループから離れて、私と二人でいてくれる。 優しさが嬉しくて、私もすっかり侑架に心を開いていた。 「ねえ莉織!今日の放課後、校舎案内してあげる!」 「え?いいの?」 「もちろん!」 ありがとう、と言いかけたとき、 廊下で黄色い歓声が上がった。