翌日。


結局私は天津くんにあれ以上のことを聞けず諦めて帰った。


今日の朝起きた時も、朝ご飯を食べているときも、考えるのは天津くんが言った前世の話。


天帝?と聞いた私に対して、頷いた彼の表情が頭にこびりついて離れなかった。



「はあ…」

「何朝っぱらからため息ついてんだよ」

「天津くん?!」



下駄箱でついた私のため息を寄らせまいとでもいうように、手で自分の前をパタパタと払いながら天津くんがやってきた。


腕を上げた持ち方だったスクールバッグをドサッと地面に置いて、1番下の下駄箱を開き靴を履き替える。


__なんで私、天津くんのこと待ってるんだろう。



「ほら、行くぞ」



右足で乱暴に閉め、だるそうにあくびをしながらカバンを持ち上げた彼の後ろを、


少し間を空けてついていった。



「あ、あの…」

「あ?」

「…おはよう」

「……はよ」