「わたしが…織姫??」


いやいや。まさか。

なんでそうなるの??

七夕は好きだし、わけわからない話もしちゃったけど。


だからって私の前世が織姫なんて。



「し、失礼しますっ」



逃げるようにその場をあとした私は、自然と教室へ走っていた。


前世が織姫。私が元織姫。


彦星を心から愛していた織姫。


彦星のお嫁さんだった織姫。


小さい頃から何度も聞いた織姫。


七夕伝説の中だけの人だと思っていた。


織姫なんて、所詮は架空の人間だって。



「…私が織姫なわけ」