小さい頃から何故か七夕が好きだった私。 彦名先輩から七夕に関しての話を色々聞くうち、自分の中でやけにしっくりする物語が完成していた。 「織姫と彦星は天の川に隔てられたあと、一度しか会えなかったんじゃないかって」 「どうして?」 「根拠は何もないんですけど、ただそう思うんです。 天帝から年に一度会うことは許されたんですよね? でもその後、過労で織姫が倒れてしまった。 七夕に降るその催涙雨?というのは、織姫の病気を知らず、会うこともできない彦星の涙なんじゃないですかね」