「ここが生徒会室」
案内されたのは、1階に降りた廊下の端の方にある小さめの教室だった。
真ん中に長机が置かれ、その周りに6個の椅子が机を囲うように並べられている。
棚には何のものかわからないファイルがズラリと並び、なんとなく堅苦しい雰囲気。
そして1番奥の椅子でファイルと向き合っていた女の子。
さっき職員室に来てた子だった。
「宮苑、今日からこの学校に転入した子だよ」
「姫川莉織です!」
「…宮苑 夏恋です、よろしくお願いします」
「宮苑、同級生だから仲良くしてあげてね」
宮苑さんは彦名先輩を見て「はい」と微笑んだ。
その顔は、彦名先輩に対して尊敬だけではない感情を含んでいるような気がして。
「あの、彦名先輩」
「ん?」
宮苑さんが彦名先輩を呼ぶたび、胸がざわつく。
「私、少し職員室に用があるので、しばらく姫川さんとお二人で話していてください」
「ああ、わかった」
宮苑さんが生徒会室から出ていく直前、一瞬目があってニコッとされた。

