まるで玉貌のような出で立ちと、溢れ出るオーラから汲み取れる穏やかそうな性格。
ふわっとさせた濃いブラウンだと思わせた髪が、光に当ててライトブラウンを覗かせた。
「生徒会長の彦名流星です、よろしく」
「よ…よろしくお願いします」
上の空でした返事を怪しむ様子もなく、彼はニコッと笑いかける。
その笑顔が一層整った顔立ちの良さを引き立てて、思わず心臓が跳ねた。
「会長、次期生徒会会議のことで相談が……あ、すみません」
「いいよ、先に生徒会室に行っててもらえる?」
職員室に腰少し上辺りまでまである巻いた髪を揺らしながら女の子がやってきた。
彦名先輩にそう言われた彼女は、彦名先輩と先生だけでなく私にも会釈をして、小走りで立ち去った。

