「……早織。本当に知らない人なんだよね…?」


「し、知らない!」



「………サオ…」


「じゃあ、あなたの勘違いみたいですね
行こう。早織。」


「う、うん!」



「………ま、待て!サオ!」






晴美くんは私の肩を抱き、そのまま男から離そうとしたが
男は、私の腕を掴み私たちの足を止めた





「は、離してください!」


「サオ!本当に…?本当に俺のこと覚えてないのか?
前は、俺たちあんなに愛しあってただろ!」


「は、はあ!?」





前ってなに!?





「前世!前世だよ!
俺たちは、愛しあってたんだよ!

前は、付き合うとか……恋人にはなれなかったけど…
本当に愛しあってたんだ!

今度は、絶対に離れないって約束しただろ!?

俺が生まれたんだ。絶対に今世にいるって思った
だから、必死に捜した!

もう離れない。お前は、ずっと俺の傍にいろ!」




「は、はあ!?」





な、なにコイツ!!
い、意味分かんない!!

頭おかしい!





「離して!」



「嫌だ!」



「気持ち悪い!」



「き、……気持ち悪い!?
は、はあ!?お前がそれを言うのか!?

前はあんなに俺から離れたがらなかったお前が!?」



「は、はあ!?な、何言ってんのよ!!?
マジ気持ち悪い!!頭おかしい!」



「頭がおかしいのはお前だろ!!
来世では絶対に俺から離れない…とか言っていたお前が、今世では俺以外のヤツと付き合ってるじゃねぇか!
忘れたなんて言わせねぇぞ!」



「気持ち悪い気持ち悪い!!
頭おかしい!!マジ気持ち悪い!
行こう!晴美くん!」



「え……?あ、うん」



「お、おい!待てって!サ………」ガンッ!!!!
「……ッ……!!」


「死ね!」





私は、男の股を蹴り上げ
晴美くんの手を掴んで男から離れた






気持ち悪い!!
何、アイツ!!

あり得ない!!