桜の木の下で

4人で居酒屋を出る。

「あの、いくらでした?私払いますよ」
「いいよ。今日はさくらに付き合ってくれてありがとう」
「でも……。私の方こそいつも佐藤先輩にはお世話になりっぱなしなのに……」

彼氏さんが料金を支払ってくれた。

「有難く奢られれば?」

菅田さんが、冷たく話しかけてきた。

「そうだよ。奢られてて」

彼氏さんが優しく微笑んでるから、ご好意に甘えることにした。

「ありがとうございます」

深く頭を下げた。

「紀輝……。眠くなっちゃった」
「あぁ、帰ろうか」
「……うん」

佐藤先輩は、フラフラになっていた。
彼氏さんに支えられてて、かなり眠そうだった。

「稜……。葉月さんのこと送ってやれよ?」
「はっ?どうして俺が?」
「こんな時間に1人で何かあったら危ないだろ?」

嫌な顔をする菅田さん。

「大丈夫ですよ。私の家、近くですから」
「ダメだ。稜が送っていくから」
「あ~っ。分かったよ。俺が送っていくから」
「頼むぞ」
「あぁ……」

面倒くさそうに返事をした。

「じゃぁ、またね」
「葉月ちゃん、またね」

2人は駐車場に向かって歩いて行った。