桜の木の下で

佐藤先輩のスマホが光る。

「佐藤先輩。スマホ光ってますよ」
「あっ、ほんとだっ」

スマホに出る佐藤先輩。

「あっ、紀輝(かずき)?どうしたの?」

彼氏だろうか?

あまり会話を聞いてはいけない気がしたので、ビールを飲み、つまみを食べていた。

会話が終わると、私を見てる。

「葉月ちゃん……」
「紀輝が迎えにくるって」

ちょっと照れながら話す佐藤先輩。

「彼氏さんですか?」
「うん。会話から私が飲み過ぎてるのが分かったみたい」
ちょっと反省している。

「心配して来てくれるんですね。羨ましいなぁ。佐藤先輩。愛されてますね」
「……うん。嬉しい」

素直な人だ。