桜の木の下で

「俺は別にクールな男じゃねぇし」
「みんな、稜はクールでカッコイイって
言ってたよ。紀輝は優しくてカッコイイって。葉月ちゃん、この2人高校、大学の時からすっごくモテてたんだよ。今でもそうだけど。モテてる男と付き合うのは、大変だよ」
「俺はさくらしか見てないから大丈夫」

佐藤先輩を安心させたいんだろうなぁ。
彼氏さんの優しさが伝わってくる。

「もう。でも嬉しい」

真っ赤になって、照れてる。
可愛すぎだ。

「稜は彼女作らないのかよ。
あれだけモテるのに……」
「俺が好きにならないんだから、無理だろ」
「好きな人でもいるの?」
「……いねぇよ」
「まぁ、こいつの本当の性格知ったら
みんな逃げてくだろっ」
「そうだね。普段は紳士的で笑顔も爽やか。
でも本当は口は悪いし、無愛想だし、冷たいし……最悪だもんね。はははっ」
「お前な。言い過ぎだろ」
「でもそうじゃん。ねぇ、紀輝」
「はははっ。その通り。稜と付き合った人は
そのギャップに驚くだろうな」
「お前ら2人とも、うるせぇ」

不機嫌な菅田さん。
ずっと笑ってる佐藤先輩と彼氏さん。
長い付き合いだから、
言いたいこと言えるんだ。

その関係が羨ましかった。

私だけ場違いのような気がして……。
ただただ食べるしかなかった。