輪舞曲-黒と白のcaprice-


そう決めて寝込み始めたと同時に金髪碧眼で煙草を吹かせた、先程とは別の一番態度の悪いナースが部屋を覗き込む。なんとタイミングの悪い事。

「なにようるさいな。よく見なよ、あたしは今正に寝ようとしてるんだけど。あと煙草ズルい」

「馬鹿言ってんじゃないわよ、重傷病人が。第一あんたの昼寝時間とかそんなこと知ったこっちゃないわよ。はい、これ。渡したからね」

ナースとあるまじき暴言を残し、更には渡したとは名ばかりのあたしの腹部それも怪我の治りが芳しくない部分に当てつけるつもりなのだろう、それを投げつけて、ヒールを高く鳴らしながら颯爽と去ってゆく。

「痛っ!何してくれてんのよ!あたしは怪我人よ、態々当てるな!」

正に遠吠えのように看護婦の後ろ姿に吠えてみてもどこ行く風。呆れたようにアサギが囁く。

『まあまあユリア。女性なんだからもっと優しく…」

「出来るか!あいつら態とやってやがる…」

苛々しながら、ナースに投げつけられた封筒を手に取りまずは表裏確かめる。真っ黒で宛名
どころか差出人すら書かれていない。
見覚えがありすぎるそれに対してあたしは中身を見るよりも先に大きな溜息をこぼしてしまう。ああ、本当に人生って思う通りにいかない。

「ああもうっ!どいつもこいつも腹が立つな!」