季節は過ぎ、冬になった。
3学期は中間試験がなく、期末試験のみだ。すなわち、期末試験のみで3学期は成績が決まってしまう。この一回の試験に全力投球するしかない。

放課後は毎日教室に残り、自習をしてから帰った。
わからない問題はすぐに職員室にいる先生に聞きに行き、解決させていた。

もともと理解が苦手な私は数学と理科の成績が毎度酷く、今回は頑張ろうと決めていた。
そして、舟木先生には申し訳ないが、物理化学はどうしても得意になれなかった。実験をしても実験器具や薬品などごちゃごちゃになってしまうし、法則なども全く覚えられない。問題集を解いていても、疑問しか生まれてこなかった。

問題集がわからなかったため質問をしに、職員室の舟木先生のところへむかった。
しかし舟木先生はおらず、机の上に『物理室にいます。質問は物理室まで』というメモが置いてあった。
私は物理室まで寒い廊下をダッシュした。