松原君の攻略は難しい。

「えっと、じゃあ今日も生徒会、始めます。」


そんな松原零の声で生徒会が始まる。


『今日も』っていかにもだるそうだね。


「じゃー、今日は〇〇について〜」


最近、疲れ溜まってんのかな。


なんか話が入ってこない。


何となくは、分かるけど。


「じゃー、今日はこれにて解散ー」


あれ、もう終わったの。


あたりはもう暗い。


今日は7時間授業だったし、遅くなったなぁ。


真希もいないし、早く帰んなきゃ。


みんな生徒会室から出ていく。


その波に遅れた私は急いで支度をする。


「ねぇ、」


この声は、


松原零だ。


「…なに?」


「送ってこうか」


「えっ!?」


え、待って、何それ。


私そんなに女の子扱いされたことないよ!!


「え、いや、いいよ!だいじょぶ。」


「でも、今野さん最近ぼーっとしてるじゃん。この夜道1人で歩かせるとか、心配なんだけど。」


「い、いや!でもバス乗るし!」


「バス、どこからのってるの?」


「〇条〇〇丁目のバス」


「ほら、ちょっと歩くじゃん。心配。」


あぁ、小っ恥ずかしいことをペラペラと…


「ほんっとに!大丈夫だから!」


「いや、送る」


これ、私が意見変えないと、一生続くよ…!


「わ、分かった。ありがと。」


私は大人しく松原零の言うことを聞く。


別に大丈夫なのに…


私がそそくさと生徒会室を出ると、その後に松原零が着いてくる。