「劣等感なんて感じてない!
なんで私が京子にそんな風に感じなくちゃいけないんだ。
あんたさっきも私が泣いてるとかなんとか言ったけどねぇ、
私はそんなに弱くない!間違えんなバカ!」
ぐわぁっと捲し立てて、フーフーと息をする。
葵はびっくりしたように目を丸くしてぱちくりさせていた。
「うわっ、怖ぇな。そんなに怒るなよ」
「あんたが怒らせたんだろ」
「口悪いのは好きじゃねぇぞ」
「うるさい。別にあんたに好かれたくない」
頭に血が上ってちょっとフラっとする。
手を離してベッドにもたれると、
葵は病衣を整えてふぅっと息をついた。
「ちょっとはすっきりしたか?」
「は?」
「あの友達の前で爆発しなくて良かったじゃん。
当たる相手が俺で良かったろ」
こいつ。もしかしてわざと怒らせた?
「あ、でもお前が劣等感を感じてるのは本当のことだぞ。
お前は気付いてないかもしれないけど、
病気で行けなかった学校とか、友達のこととか、
比べて卑屈になってるからしんどくなる。図星だろ?」
そう言われると、
悔しいけど確かにそうなのかもしれない。
私は何が無性に嫌だったのか。
京子にあって私にないものが浮き彫りになってしまってからというもの、
いつも何かが気に食わなかった。
それは京子がどうとかそういうことじゃなくて、
私自身の問題だったんだ。
私が劣等感を感じて比べてしまっていたんだ。


