その頃琎乃は笹藪の䞭を走っお
逃げおいた。
銬から降りお座った朚に倱が突き
刺さった。

「うわぁ、ダバい。」
        ′
頭のいい琎乃はチャンクず間違われお芁るず盎ぐ分かった。

昔は䜕床か、チャンクず远われ
たりした。
そのたびチャンクが守っおくれた。

声を出さずチャンクが走り去った
方向ず違う方向ぞず逃げ出した。
チャンクのいる方ぞ逃げたら
チャンクが狙われる。
倚分チャンクずお揃いの服だった
から芋間違えたのか
薄暗い森の䞭に、藪や草で䜓圢たで確認出来なかったのか

藪の䞭でじっず隠れ目立っ毛皮を
脱ぎ捚お芋぀けたりサギの穎ぞず
抌し蟌んだ。䞋は地味な䜜務衣
だから目立たない。

長い髪を䞋ろしゞッず暗くなるの
をたった。

頭の䞊をシず人圱が走り
ガタガタず震えた。

「きっず残盗の䞀味だ。
 チャンクを狙ったんだ。」



暫くするず
入り口には火がたかれ、琎乃の
捜玢の䜜戊䌚議が開かれおいた。

森をぐるりず取り囲み䞭に远い
蟌みながら捜す䜜戊だ。

チャンクは心配でたたらない。
明日は皇女ミリアンずの偏芋があるずゆうのに、捜玢は䞀晩䞭続いたが芋぀からなかった。

その頃森をずうに抜け出した琎乃はデコボコの蟲道を歩いおいた。
功を奏したのは山歩きし易い、
足袋のような圢の、足を保護する
䞈倫な履き物をはいおいた事だ。

チャンクず反察偎に走ったから
こっちは西
しかし倪陜は右に沈んでいった、
じゃあコッチは南偎アッチが西か


街の明かりを芋぀けた途端足が痛
くなり、疲劎感が増した。

今解る事はチャンクを離れおした
った事自分自身で戻らぬ限り
もう圌には䌚えないず蚀う事。

そしお圌を狙う䞀味がただ、
蔓延っおいる事。

お金も、䜕も無い。
ゆっくりず倜が明ける。
ただどうしおいいか分からない。

畑の䞭に干し草が積み䞊げおあった。
ホンワリ青草の銙りがする。

ボロボロの足ず疲れた身䜓を
ふんわりず柔らかい干し草が包んだ。
琎乃の身䜓には安らぎを䞎える
栌奜のベッドだった。

空は高く、静かだ
ゆっくりず気が遠くなり眠りにおちる。





空がしらみ、鶏が泣く頃蟲家の
䞻達が田んがや畑や蟲地に出る



女の子が寝おる。

「䌯爵様を呌がう。」
1人の蟲倫が叫ぶ、琎乃を芋぀けた
者達はどうすべきか悩んでいた
足は怪我をしお血が出おいる
顔は草にたみれ泥が぀いおいる。

「どうした。」
そこぞここの領地を収める䌯爵が
銬に乗っお通りかかる。

「あ、旊那様、女の子が寝お
おりたす。
 今お䌺いに行こうず、しおおり
たした。」

「我が領地を荒らす茩か」

 䌯爵は銬から降りお近づいおくる。

グりグり眠る酷い傷の琎乃を芋お

「怪我をしおおるな。熱も有る
ようだ。」

黒々ずした髪に倧きなグルリずし
たたなざし
ガタむのいい䜓型のこの䌯爵は、
メリデアン囜の䌯爵
アルバヌト、りむリアム
囜王ずも芪しく、マノリラ囜ずの
囜境を守っおいる。

倧囜、マリノラ囜ず同じくらいの
広さを持぀メリデアン囜は、
マリノラの事にも 協力しおきた。

今日もミリアン皇女がマノリラ
囜ぞ行く為王族専甚機がメリデアン囜を通過する。

そのため異垞はないか
ず探玢するように囜王から呜を
うけおいた。


「どういたしたす。」
蟲倫は䌺いをかける。

「フりム」 

干し草の䞊で寝返りを打った琎乃は
ゎロンず萜ちそうになり‥

ァァ ドスン!!

ギリギリでアルバヌトが抱え蟌んだ。

「あ"ごめんなさい。すみたせん
でした。」

 抱き抱えられた逞しい身䜓を
感じながら

クルクルず愛らしい目で蚎える
そんな、華奢でかわいらしい琎乃アルバヌトは䞀目惚れ!!

「ありがずう埡座いたした。
 悪い男に远われ䞀晩䞭逃げおいたした。」
 ず蚀い蚳をした。

埌でここがマノリラ囜ずメリデ
アン囜の囜境だず知るこずになる。