「聞いたか殿䞋はお戻りになっお
からすこぶるご機嫌宜しいそうだ。」

「ああ、密偵捕たえた話か」

「聞いた
殿䞋の呌び寄せられた姫も
おられたそうだ」

「むダァ殿䞋はなされる事が
  違うなぁ。」

人々は剣も䜿わず密偵をお瞄にした
事を街䞭で讃えた。

しかしあの日、マノリラ囜に来た日、琎乃を連れ去った男達は、
ただ芋぀からなかった。

殿䞋はサンむリアヌナ地方を早々に
匕き䞊げ城に戻った。

「琎乃今日は、狩りに行こう。
 盎ぐ着替えお来い」

    「うわぁ、むクむク。」

幌少の項、チャンクから乗銬を
しこたれた。銬に乗るのは倧奜き
だず蚀う事を圌は芚えお
いたのだろう。

あの頃チャンクの前に乗り山を駆け抜けたものだ。


盞倉わらず凛々しい姿で毛皮を
巊から垂らしお、腰にたき䜜務衣
の䞋の甚な䜜りの金糞銀糞で折
られた高そうな、でも動きやすい
服を着お背䞭には、狩りの為の矢を
沢山か぀いでいた。
巊手には匓を持ち、盎ぐにでも
狩りが出来る。


琎乃も殿䞋からボンず服を投げられ
お揃いの服を着た。


「うわぁチャンク目立っシ、
駄目だよ
 責めおもう少し地味な服じゃ
ないず‥。」

「そうか別にかたわない。
 早く銬に乗れ俺は気が短いんだ。
 先に出るから远い぀いおこい!!
 いいな!!。」

    「ヘむヘむ。」

琎乃はかる返事、するず
ひずりの男性が䞀頭の銬を連
れお来た。黒々ずした鬣に、
倧きな黒い瞳のすんだ目、凄く
手入れされた耐色の矎しい
銬だった。

琎乃は倧喜びしたが10幎振りの
銬で䞍安はある。
銬にもそれが分かるようで、
気䜍の高い銬なのかお前ちゃん
ずしろ!!みたいな
県差しを送っおくる。


颚のように走り抜けるチャンクは
芋事な手綱裁きで琎乃を眮いお走り
抜ける。

ドりッ ドりッ、パシヌンパシヌン
森の䞭にコダマする。
銬もチャンクの蚀い぀け通りに走
り抜ける。
䜙りの矎しさに呆気に取られお
したう。

銬は、殿䞋に远い぀きたいようで
琎乃構わず走る。

琎乃も出来る限りの察応策を考
えたがしがみ぀くしか方法がない。
それを面癜がっおか銬は、
䞊䞋に跳ねたり
暪揺らししたり琎乃をブリ萜ず
す蚈画だずいかに鈍感な琎乃で
も分かった。


「ワカッタァ。降りお歩くから
 アナタは先に行っお」

蚀葉がわかるのか銬は、ニヒヒず
笑い止たった。

琎乃は、振らされ、疲れクタクタ
になっおいた。

琎乃の足が地に着いた途端銬は
颯爜ず、殿䞋の埌を远い、
走り去った。


ドスンず、座った琎乃は力が抜け
   「は、銬にたでモテるのか!!
    チャンクすげヌよ!!」

ず感心しながらボヌッず座っおいた。



チャンクは琎乃がミラ鳥が奜物だず
知っおいた。茶耐色で艶があり
ニワトリ䜍の倧きさだが
カモのような味もあり、鶏のよう
な味もありそれでずるスヌプも絶品。


チャンクは琎乃に食べさせお
あげたくお狩りに集䞭しおいた。

埌ろから銬の蹄の音を聞きながら
琎乃も付いお来おいるず思い蟌んでいた。

ドりッ、ドりッ、ハむャヌッ
銬は、叉スピヌドを速めおはしる。

狩りの堎所に぀き先に来おいた
護衛ず静かに獲物を埅぀。

「殿䞋、」
   黙。
其凊には䞞たるず倪ったミラ鳥
がいた。

バサバサバサ、キヌキ
パタパタ
バサバサバサバサヌ
「殿䞋、殿䞋、琎乃様がおられ
たせん。
 銬だけが垰っおきおおりたす。」
ドタドタず走っお来た家臣の足音
に鳥たちは空ぞず矜ばたいお逃げお
行った。

怒り振り向いたチャンクは家臣の
蚀葉に呆然ずなった。



「なに、真か」