モテる彼氏なんて

「汐那〜!おはよう!!昨日どうだった?一緒に帰った??」












朝、登校してる途中で親友の 金沢 梨瑚(かなざわ りこ)に話しかけられた。













「梨瑚おはよう。ううん。昨日もいつもと同じだったよ。」














笑って返すと














「も〜!!ちゃんと言わなきゃダメだよ!私を優先してって!」














梨瑚に肩を揺さぶられる。














そんなこと、言えないよ。言えたら苦労なんて、、、















私の顔が暗くなったのか















「あ、ごめんね汐那。」















なんて梨瑚も暗くなった。














「私は眞翔くんでいっぱいで毎日ドキドキとか、嫉妬とかで忙しいけど、眞翔くんはそうじゃない。そう考えたら、このままでいいのかなって思うよ。けどね、付き合ってくれてるだけで嬉しいからそれ以上は望まない」















もしこれ以上を望んで「別れよう」なんて言われたら
















「私、別れようなんて言われたら、立ち直れなくなっちゃう。」
















ちょっと泣きそうになりながら梨瑚に笑ってみせた。















なんとなく。のままでも、彼女で居られるなら隣に立っていられるなら
















「嫉妬も不安も全部我慢する。だから、って思っちゃうんだ。」
















朝から何言ってるんだって自分でも思う。けど、梨瑚にならなんでも言える。















「ってごめんね!朝からこんな話!!明るく行こう!!」
















梨瑚は苦しそうな顔をしたままだけど、笑って手を引っ張って学校に向かった。