『別にいーよ…ばーか…』
私はまだ立ち上がれずに、下を向いたままそう言った。
『ホント、お前って素直に成る回数少ないよな
たまには甘えてくれたって良いんだぞ?』
彼はそう言いながら私の前にしゃがみ、そして顔を覗きこんだ。
『…ごめん』
私は素直に謝罪をする。
『別に、謝らせたかった訳じゃない』
そう言って彼は私の頭を撫でた。

『俺だって不安なんだよ
こんな可愛いお前がさ、本気で俺を好きなのか?って』

珍しく彼は弱気だった。
いや、気付けていなかっただけで、本当は昔からそうだったのかもしれない。
『気付けなくてごめん
正直、不器用だし気恥ずかしいとか言って、本心から逃げてた
でも、これからは少し頑張るよ』